北海道東で2019年からことしにかけて合計66頭の牛を襲ったオスのヒグマ「OSO18(オソジュウハチ)」。
わなを仕掛けるなどしても、警戒心が強く、監視カメラが姿をとらえたのはごく数回ということから、“忍者”の異名も持っていました。
ずっと捉えることができなかったOSO18は7月30日に牧草地に横たわってるところを仕留められ、その時は「OSO18」だと確認できず、すぐに解体処理業者のところに持っていかれたが、あとで体毛を調べると「OSO18」ということが確認されます。
それまでの取材などを見てたらOSO18は獰猛で、すばしっこく、狡猾な怪物だというイメージだったので、あっけなく、それも仕留めたあとしばらくして「OSO18」だったとわかるというなんとも手応えがないというか、怪物の正体は謎のままという感じで不完全燃焼でした。
しかし、このNHKスペシャルでOSO18の真実がわかってやっと消化できたし、悲しい気持ちになりました。
ヒグマは雑食なので魚や鹿を食べたりしますが、果実や草木類を主に食べるそう。
しかし、減少傾向で増やしたエゾジカ(近年は増えすぎてきてるので駆逐している)、原生林を切り開き放牧してきた乳牛が簡単に捕食できるので、OSO18は肉ばかり食べるようになってしまい、66頭もの牛を襲った怪物になってしまったのです。
肉ばかり食べるのはヒグマの中では異常な行動だと専門家の方は言われていましたけど、また今後第2第3のOSOが出現するのは間違いないでしょう。
結局肉ばかり食べていたOSO18は栄養が偏っていたからか足が異常に浮腫み、仕留められた時はかなり衰弱して痩せ衰え死ぬ直前だったようです。(一般の熊の寿命の半分の9歳6ヶ月だった)
人間に恐れられ駆逐されたOSO18。
しかし、その怪物OSO18を生み出したのは人間だったという事実は衝撃でした。
山の餌が不足して人の住む場所に出現する熊や動物のニュースが増えたように思いますが、人間と動物がうまく共存することは難しいのでしょうね。(ほんとどうしたらいいのかわかりません)
取材の中でNHKのディレクターさんが画面からも強烈な悪臭が漂ってるのがわかる堆肥を4時間かけて掘り起こしてOSO18の骨を掘り出した場面は感動しました。
このおかげでOSO18の謎がいろいろわかったんですものね。
人間の執念ってすごいと思いました。
NHKプラスで観れますので、ぜひご覧になってくださいね!
OSO18 “怪物ヒグマ”最期の謎 - NHKスペシャル - NHK
では!