宮崎駿監督のジブリ映画「君たちはどう生きるか」と同じタイトルの吉野源三郎著の本は1937年に書かれた児童書です。
宮崎駿監督は子どもの頃この本を読んで非常に感銘を受けたそうですが、この映画はジョン・コナリー「失われたものたちの本」という児童書がベースになっているそうです。
6年前に読んだまんが「君たちはどう生きるか」の感想です。
80年前に書かれた本だけど
主人公の中学生のコペル君が、学校での
いじめや貧困などに対して、いろいろ悩み、おじさんと対話しながら、人生について考えておとなへの一歩を踏み出していく・・・という内容です。
児童書なのですが、年齢を問わない内容だと思いました。
驚いたのが、この本が80年前の1937年に書かれたという事。
そして、1937年というのは二・二・六事件の翌年、日中戦争が起こった年、第二次世界大戦が始まる2年前という戦争が間近にあった時代。
その時代に、「自分で考える大切さ」というのを強く訴えている本が出版されたのは驚きす。
というより、そういう時代だからこそ書かれたのだと思います。
考えたらいけない時代
わたくしの親は、この本が出版された頃に生まれた世代。
わたくしが子どもの頃、理屈っぽい事や、反対意見を言ったら、ひどく叱られたものです。
物事に対して、深く考えたり、意見を言うのはよくないという考えの持ち主でした。
わたくしの母も亡くなった姑も、「考えるの、めんどくさい!」ってよく言ってました。
おそらく、そういう教育を受けてきたからでしょう。
それを考えると、この本の内容はそういう教育の危機感から生まれたのかもしれません。
80年前に書かれた本がこうして、今の人たちに受け入れられるというのは、80年前から日本人はあまり進歩していないという事なのでしょうかね?
どう生きるか
わたくしも、「よく考える」という事をしてきてませんでした。
「自分はどう生きるか」
年齢に関係なく、いつも自分に問わなければいけないことだと思いました。
本の内容には関係ないけど、コペル君やお友達、おじさんは戦争に行ったのかしら・・・と心配になってしまいました。
まんがなので、読みやすいし、子どもから大人まで読んでほしい本だと思いました。
映画のベースとなった児童書「失われたものたちの本」も読んでみたいです。
では!
(過去記事を加筆修正いたしました)