NHKのドキュメント番組を観たのですが、50年養鶏場を営んでいる70代のお父さんと、一緒に仕事をしている30代の息子さんの話です。
お父さんは日本の養鶏場の9割が行っているというたくさんの鶏(3万羽)をケージに入れて大量生産する方式「ケージ飼い」を行っていますが、息子さんは別に鶏舎を作って、鶏をケージに入れず自由に飼う「平飼い」の方法で育てています。
息子さんのやっている平飼いは場所を取るので、800羽ぐらいが限界です。
しかしストレスなく育ってる鶏が産む卵は品質も味も良く1個150円で売られてますが、売り上げは前年の1.6倍になる程順調です。
70代のお父さんは息子さんにすべて任していきたいけど、鶏の飼育方法でぶつかってしまって、お互い譲れずなかなかうまく先にすすみません。
お父さんは「大量生産して安く」で長年やってきていますし、息子さんは「品質の良いものを正当な値段で」という考えです。
今まで卵は価格の優等生と言われていて、なんとここ60年ほど価格は変わらなかったそう。
鶏種の改良、飼料効率の向上などがあったとはいえ、60年変わらないってのは普通に考えたらちょっとおかしいですよね。
それって生産者がいろんなところのコストを下げたり、鶏をぎゅうぎゅうのケージに押し込んだりと無理をしてきたからだと思うのです。
卵は今のところ1パック300円くらいの値段が続いていますが、この先価格が下がることはないように思います。
今までが安すぎたのですよ。
「平飼い」で鶏を育てている息子さんところの1個150円の卵は、値段だけを聞けば怯みますが、平飼いでのびのびノンストレスで育った鶏の卵と聞けば品質も栄養も安心満足の納得の値段です。
なんでも値段が安いに越したことはないけど、これからは品質の良さを重視した買い物をしていかないとですね。
ドキュメントの方ですが、お父さんは息子さんのやり方を認めつつあるし、息子さんもお父さんがずっと頑張ってきたから今があるというのはわかっていますので、時間はかかるかもしれないけど二人で協力しあって美味しい卵を作っていくのではないかなあと思います。
では!