幻覚とは気づかなかった
前回の記事で認知症に気づくきっかけとなった母の行動について書いたのですが、もう一つありました。
それは「幻覚」です。
わたくしとしては「幻覚」とは全然思い付かず母の「被害妄想」がひどくなった、想像力がひどくなったと捉えていました。
この話をケアマネさんにすると「幻覚が見えるのはレビー小体型認知症かもしれませんね。詳しく認知症の専門医に見てもらった方がいいと思います」と言われて、そこで「これ、幻覚なんだ」と気づきました。
幻覚の原因というか、きっかけになったのは隣で飼っていた猫。
そんなに頻繁ではなかったのですが、夜実家の天井裏に忍び込んで歩く音がするので、母はとても嫌がっていました。
認知症の症状が出始めた頃、母は猫ではなく、その家のご主人が天井裏に忍び込んで歩いていると言うようになりました。
母は隣の家族をものすごく嫌っていたので(いっつも悪口を言っていた)、被害妄想が大きくなったのでしょう。
わたくしは「天井裏には人は入れないよ。多分猫だよ」ってなだめると、「そんなわけはない!隣のご主人って言いよろうが!」と激怒。
これも後で学んだのですが、認知症の人には決して「否定」してはいけないのです。
「それは困ったねー気色悪いねー」と同調してあげればよかったのです。
(本音は、そんな同調とか無理・・・)
加速する幻覚
そして屋根裏を登ってくる人に奥さんも加わり、やがてリビングのコタツにご主人と奥さんが座っているようになりました。
わたくしも母の言うことには知らんぷりしてたんですけど、実家に行くとお盆にポットと急須と湯飲みが用意されています。
「これどうしたの?」って聞くと、母は「夜中に隣の夫婦が来るからお茶を用意しておいておこうと思って」と言います。
わたくしは、母の妄想とは言え夜中に天井裏に入ってくる隣のご夫婦(それもめちゃくちゃ嫌ってる)になんでお茶を出すのか、何考えてるの?ってすんごい腹立って、母に厳しいことを言いました。
認知症の症状で幻覚を見るようになるってのは知っていたけど、母が言ってることがその認知症の症状の「幻覚」と結び付かず、なんで被害妄想がひどくなって変なことばかり言うのかという思いしかなかったです。
最後に
考えると天井裏に人が入ってくると言い出した頃に「認知症の症状だから」と理解していたら、もっとちゃんと対応できてたのになあという思いです。
介護は「もっとあの時こうしておけば」という後悔しかないというのは誰しもあると思います。
なので、介護中の方や自分もですけど、あまり過去のことを思い悩まないで欲しいです。
では!
天井裏に隣の家の人が入ってくると言い張る母に困惑 - リウのくらしの絵日記