光浦さんは4月からカナダに留学する予定だったそうですが、コロナパンデミックでいけなくなりました。
なぜ仕事を休んで、カナダに留学しようと思ったのか。
芸歴28年の光浦さんは、40代になってからだんだん仕事が減ってきて、とても不安を感じるようになってきました。
小さいころからみんなができることができなくて、できないことがバレるのが怖くて、本当はそうじゃないのに「人と同じなのは嫌い」風をずっと装ってきた光浦さん。
受験英語をすごく頑張って、東京外国語大学に入学したけど、周りは当然のように英語が話せる人ばかりで、そこから逃げ出してお笑いライブに行くようになった大学時代。
その英語から逃げた分岐点に戻って、もう一つの人生を回収したいと思ったのが理由のひとつだそうです。
そしてもうひとつの理由は、10代の頃に日本に戻った帰国子女の友人が、「違う」ということで同級生に虐められたけど、彼女は「世界はここだけではない」と知っていたので虐めを乗り越えられた、その「世界がここだけじゃない」ということを知れたらどんなに強くなるだろうと思ったこと。
50歳あたりって、若くはないけど、老いてもいない。
だけど今までのように、アクセルを目一杯踏み続けるようなことは、すっかりできなくなっています。
もうひとつの人生とか、今までの人生とかについて、ちょっと考えてしまうころかもしれません。
そのことに気づくのは人によって、もっと若い頃かもしれませんし、ずっと年老いてからかもしれません。
わたくしの場合、夫の母の死後、この人生って自分で考えてる?って思ってしまいました。
時代のせいかもしれませんが、女の子だから短大に行って、結婚するから就職は腰掛で、25歳までには結婚して、子供産んで、いいお母さんになって、いいお嫁さんになって・・・
なんかそういうシナリオ通りにやるのが当たり前でしたし、わたくしもそういう人生に疑問を持ちませんでした。
でも、50代になって、あれ?これって何にも考えてきてないよね、と気付きます。
光浦さんみたいに、自分が逃げ出したり、本当はやりたかったけど諦めた分岐点に戻ってみるってのもいいかもしれません。
そして世界はここだけじゃないっていうのを知ることも大事です。
別に海外に行かなくても、今まで一人では行かなかったところに行くとか、やったことのないスポーツに挑戦するってだけでも、ここだけじゃない世界が知れていいんじゃないかな?
そうそう、今まで読んだことのないジャンルの小説を読んだり、映画を観るだけでも、いいと思います。
光浦さんのエッセイは、私たちの背中を優しく押してくれます。
ぜひ、文藝春秋のサイト、ご覧になってくださいね。
では!