
新しい著書「介護未満の父に起きたこと」を書いたジェーン・スーさんのテレビインタビューを見ました。
この本は要介護認定されるほどではないけれど、足腰と記憶力が弱ってきたお父さんの生活を、同居せずにどうやって滞りなく進めるかを娘であるジェーン・スーさんが試行錯誤した記録です。
人はある日急に寝たきりになって介護を受けるようになるのではなく、じわじわとそれまでできていたことが、少しづつできなくなるのです。
インタビューでは、ジェーンさんのお父さんが生活力ゼロで、相当気難しい人だったので、生活のサポートもかなり苦労したと話しておられました。
でも、ある日ジェーンさんは、お父さんは「大物海外アーティスト」だと思うことにしたそうです。
お父さんではなく「ミック・ジャガー」だと。
確かにミック・ジャガーにご飯の用意をしたのに「今はご飯は食べたくないんだ!」と言われたら、頭にはきますけど、「全く大物アーティストは気難しいよねえ。はいはい」とちょっと距離を置いて受け止められますよね。
物事をこういう「とんち」で解決するジェーンさんの柔軟さが、ひたすら羨ましい!(”とんち”という言葉はすでに死語?)
私も母に認知症の症状が出始めた頃、母の言動にすごいブチギレていましたけど、もし母を「デビ夫人」か「プラダを着た悪魔」の鬼編集長と思って接していたら、うまくやり過ごすことができたかもなあ、なんて思いました。(いや逆にストレスになったかしら?)
とにかく、現実をちょっとユーモアに変えるだけで、重たい出来事も少し柔らかくなるんだなあ、と感じました。
私も、そんな“とんち力”を身につけたいものです。
それではまたー
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