「看る力」を読んで、阿川佐和子さんの言う「後ろめたさをもつ」ことの良さに気がつきました。
「後ろめたさ」って聞くと、陰で悪いことして、なんか堂々と生きてないようで、ネガティブなイメージがします。
この本「看る力」での「後ろめたさをもつ」というのは、
母には「ちょっと仕事が忙しくて・・・」と言いながら、本当はゴルフに行ってることもありまして。(中略)「私はこんなに頑張ってるのに!」って不満だけがつのると介護の疲れも倍増するでしょ?「本当は私、ちょっとズルしてるんだよね。ヒヒヒ」ってのを心の引き出しにひとつもっていると、余裕ができる
ということです。
これって介護だけでなく、普段の生活においても大事なことですよね。
わたくしって「私はこんなに頑張ってるのに!」てなる場面が多いです。
というか今までの人生でずっとこう思うことが多かった。
自分で言うのもなんですが、生真面目なんですね。
ズルはよくない!って生きてきました。
わたくしだけでなく、きっと多くの人が「ズルをするのはよくないことです」って教えられてきたと思います。
だから、「後ろめたさを持つ」ことをしてはいけないと思いがち。
でも、一番いけないのは「私は一人こんなに頑張ってるのに、報われない!ドッカーン!」ってなることです。
阿川さんの言う「本当は私、ちょっとズルしてるんだよね。ヒヒヒ」の精神でやっていかないと、やってられないことって多いですものね。
もちろん人に迷惑をかけるズルはよくないけど、そうでないことはどんどんやらないと。
共著の大塚宣夫先生がおっしゃられてる「とにかく完璧を目指さないことですよ」ってのは常に心に留めておかないといけません。
この本を読んで介護の悩みがすっきり解決するわけではありません。
介護はこうすれば正解っていうものでもありませんしね。
でも、介護をしてきた阿川さんの言葉は、とても身近に感じられて心にしみるものがありました。
今はわたくしが介護している立場だけど、ここ最近の自分の体調不良、体の衰えを急に感じるようになり、「老い」という言葉が身近になったわたくしにとっても、ためになる本でした。
介護している人にはぜひ読んでもらいたいなあ。
では!