店内での手作りにこだわる定食チェーンの大戸屋は、人件費や材料費などの高コストで大赤字。
そこで、大手外食チェーンのコロワイドにTOB(株式公開買付け)という手法で買収されました。
その一連の騒動を追った番組はとても面白かったです。
創業者の死後、経営陣と対立して大戸屋を追い出されていた創業者の長男が、相続していた20%の株をコロワイドに約30億円で売って、新しい取締役の一人になるという小説のような展開がすごかったです。
わたくしは大戸屋をまったく知らなかったのですが、大戸屋は徹底的に「手作り」にこだわっていることに驚きました。
その徹底ぶりがハンパない。
野菜を店内で切っているのですが、それがキャベツの千切りだけでなく(キャベツはスライサーを使っていましたが)、ネギの小口切りからというこだわり。
もっとすごかったのが、お豆腐を手作りしているのです。
豆腐を切るんじゃなくて、豆乳からニガリとか入れて作ってるんですよ!
びっくりです、というか戦慄しました。
料理人出身の創業者のこだわりであるのはすごくわかります。
でも、食べる人はそこまで求めていないのではないかなあ、チェーン店でしょ?
もちろん「手作り」にこだわる大戸屋の定食が美味しい、というファンは多いでしょうけど、ネギの小口切りやキャベツの千切り、豆腐などを外注したり、セントラルキッチンで作っても、まったく味が落ちるようには思わないんですけどね。
そこまで「手作り」にこだわるお客さんなら、個人経営のレストランに行くでしょう。
定食チェーン店なんだから、効率よく美味しくできればいいんではないかな?
店長さんは一人開店3時間前ぐらいに来て、野菜切ったり、豆腐作ったりしてたけど、ちょっとブラックすぎる働き方です。
「手作り」が絶対正義みたいなのって怖い。
まず作り手の働きやすさ、そして食べる人の満足感、会社も家庭も同じだと思うけどなあ。
大戸屋で食べたことがないわたくしが、ぐちぐち文句言うのもよくないので、今度大戸屋に行ってみます。
では!