またまたNHK子ども科学電話相談のお話です!
今回は子どもといっても中学3年生の女の子の質問です。
「なぜ子どもが親より先に死んだら”親不孝”と言われるのですか?」
恵泉女学園大学学長大日向雅美先生の答えは、
まず親云々というより、自分自身のために命を大切にしてほしい。
親より先に〜という言葉は中国の孔子が書いた古い書物の中にあるそうです。
親は自分のことより大事にして育ててきた子どもが先に死んでしまうのはとても悲しいことなので、命を大切にしてほしいという願いから親不孝という言葉を使ったんだと思います。
などと言うものでした。
司会者が先生の答えを聞いてどう思った?と聞くと、お友達は、
「虐待する母親のことを考えました」。
どういうことかな?と思いましたが、おそらくお友達は子どもを虐待し死なせる親のニュースを聴いて、ものすごく腹立たしく思って、こういう質問をしたのではないかなあ(もちろんお友達の親が虐待してるということではない)。
先生は最近の自殺のニュースが話題になってるので、それを気にしてお友達が質問してきたのだと考えておられてたようだけど、ちょっとそれとは違ったような。
質問したお友達は、子どもを思う親の気持ちとか、親の子どもに対する深い愛とか言われると、きっと「じゃあさ、なんで世の中には子どもを虐待する親がいるわけ?おかしいんじゃね?」というちょっとした怒りみたいなものがあったのでしょうね。
お友達は中学3年生。世の中の「愛」だとか「思いやり」だとか言葉だけのきれいごとに、すんごい矛盾を感じる年頃。
先生はその言葉を受けて「虐待は絶対あってはならないことだけど、追いつめられてやってしまうこともある。責めるだけでなく、みんなでそういう親をささえることが大切。命を考えることは答えはひとつではないし、善悪で切れることでもない。みんなが悲しみをひとつの核としながら知恵と心を寄せ集められたらいいですね」と答えられました。
たしかに虐待はいけないことだけど、そこだけ注目しても虐待はなくならない。
ほんとに知恵と心を寄せ集めて考えていかなければいけませんね。
中学3年生だと、白か黒かはっきりわかるものがいいことだと思うかもしれないけど、世の中にはグレーのことがたくさんあって、それをより良い方向に持っていくのが大人の役目なんですよね。
相談してきた中学3年生のお友達は、先生の答えをどう受け止めたかな?
そして中学3年生の自分が今の自分を見たらどういうふうに思うんだろう?
なんて、今日の番組を聴きながら考えました。
ちょっと大人にも難しい電話相談でした。
では!