リウのくらしの絵日記

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「いい母親」像に苦しめられる主人公!角田光代著「坂の途中の家」

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過去記事を加筆、修正いたしました。

 

  

本の感想です。

 

こういった小説を読むのは久しぶり。

 

ラジオの書評を聞いて、子どもと

「おもしろそうだね」と話していて購入しました。

 

どこにでもいる主婦が刑事裁判の補充裁判員

 

子どもはテレビドラマと映画の「八日目の蝉」を観て、

角田光代さんのファンになったみたい。

 

わたくしは新聞の連載小説「紙の月」と「拳の先」で角田さんを知りました。

 

で、感想。

 

重いです。

 

読んでいる途中からの息苦しさがしんどい!

 

話の大筋は刑事裁判の補充裁判員になった主人公里沙子が、

子どもを手にかけた母親をめぐる証言にふれるうち、

自分の境遇に自らを重ねていきながら話は進んでいきます。

 

本の中で、裁判シーンだけはセリフがなく里沙子の心象だけで 

語られていきます。

 

主人公里沙子と被告女性はどこにでもいる

 

この心象だけで語られるシーンのため、

これは里沙子の一方的な考えだよねえ・・・そうすると、

これは里沙子も被告の女性も自分で自分を追いつめただけの

独り相撲じゃないかと思われてしまう。

 

でも、そうじゃないのです。

 

彼女たちはまわりに家族や友人がいながら、

 

とても孤独。

 

そして、演じている。

 

いい妻。

 

いい母親。

 

世間が求めているイメージを。

 

そこから、一ミリでもずれることが怖いのです。

 

100人母親がいたら、100通りの母親がいていいはずなのに、

なぜ、まわりはいわゆる「いい母親」像をもとめるのかしら?

 

母親に求める世間のハードルってなぜ母親だけこんなに高いのかなあ?

 

まあ、男の人は男の人で、いろんなプレッシャーが

あるのだけどね。

 

マウンティング夫の存在

 

里沙子の回想で、夫が結婚式の引き出物をまかせたにもかかわらず、

ふつう、こういうの選ぶ?

君こういうことも知らないの?と

クレームをつけ、自分が選び直すシーン。

 

里沙子はこの事について疑問をいだくけど、

自分の考えがおかしいのかな?と口に出す事はしなかった。

 

里沙子の夫は自分ではわかっていないのだろうけど

上から目線タイプ。

 

この時きちんと自分の意見を言って、きちんとけんか

しておくべきだったと思うんです。

 

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こういうふうに言えてたならよかったんだろうけど・・・

 

里沙子の気持ちはすごくわかります。

 

ここで、ぶつかるのはいやだし、自分が我慢すればいい事だ・・・

 

自分でも思い当たる節がたくさんありすぎますね。

 

里沙子や、被告女性は自分ではないかとさえ思ってしまった。

 

はー、自分のことみたいだから重いです、ほんと。

 

 

終わりに

 

子どもに読後の感想を聞いたら

 

「この本読んだら、

 

結婚も子育ても怖くてできないよ。

 

てか、人間怖すぎる!」

 

そりゃ、そうだよね。この本、少子化の今

発売禁止になりそうだね。

 

わたくしも、人ってこわいって思ったよ。

でも、いろんなピンチの時に助けられたのは人なんだよね。

 

里沙子だって友人の言葉にずいぶんはげまされてる

シーンだってあるし。

 

人間ひとりでは生きていけません。

 

読後は重いけど、おススメです。

 

男性はこの本読んでどういう感想持つのかな?

 

 

「坂の途中の家」は、近所のどこにでもある家なのです。

 

では!

 

 

  

 

  

 

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