ちょこちょこ片付けに励んでいます。
最近は、昔に比べて、割とあっさりモノを
捨てられるようになりました。
でも、そんなわたくしでも、捨てられないものが
いくつかあります。
これ、赤ちゃんの1歳のお祝いに行う「餅踏み」の
わらじです。
「餅踏み」は九州の方で行われてる行事だそうです。
他の地方ではお餅を背負わせたりと、それぞれ違うのですね。
「餅踏み」のやり方は、赤ちゃんにわらじを履かせて、
丸い一升餅の上を「ぺったんぺったん」させるのです。
(だっこして、お餅の上に足を乗せるって感じですが)
それで、上の写真は、左がわたくしの子どもが使った
わらじ。
右の白いのが、わたくしの餅踏みの時に父が作った
わらじ(というかわらではないから草履?)なのです。
もう、半世紀前のものですよ。
なんでも、その時、わらじがどこのお店にも売ってなくて、
父が急遽作ったそうなんです。
材料は、白の木綿糸と赤い布、ストッキングを使用。
裏をみても、普通のわらじと同じ編み方です。
父は、若い時漁師をしていたので、めちゃくちゃ
手先が器用。
まあ、昔の人はモノが少なかったので、なんでも
自分で作っていたものですよね。
しかし、この木綿糸で、ぎっちり編まれた草履の
重量は、両方で100g、わらじの30gに比べると、
ずっしり重い。
その後、わらじが手に入ったそうで、結局
この手作りぞうりは使わなかったそうですが、
ずっと思い出の品として、保管しています。
60歳で亡くなった父。
昭和ヒトケタらしく、仕事はまじめだけど、
気難しくて、頑固で、おこりっぽくて、
だれかれかまわず、怒鳴りつけたりしていた
問題多い人(母も苦労してた)でしたが、
こうして父が作った物を見ながら、
クスッと笑える事は幸せな事と思います。
わたくしも死んだ後、わたくしが作ったり、
愛用したりしたものを見て、家族が、
「変わり者で問題多かったけど、おもしろかったね」と
言ってもらえたらいいな。
なーんて思ったお片づけの一コマでした。
では!